加熱のサイエンス~メイラード反応(糖化)
こんにちは。
食べることが好きなので、「食」関係のことを少しずつ勉強中です。
以前買った雑誌「別冊Newton 食品の科学知識」より
加熱のサイエンスについて以下に書きます。
--------------------------------------------------------
調理の目的は安全、味、食べやすさの実現
おいしいとは?
重要な要素は味
甘味、うま味、塩味、酸味、苦味
甘味 糖 エネルギー源
うま味 アミノ酸 タンパク質の原料
塩味 体内のナトリウム濃度を一定に
酸味 有益な味だけど、腐敗のイメージも
苦味 基本的に人体に有害
その他五感も大事
加熱でタンパク質の変性(立体構造が変化)
肉の味は肉汁に凝縮されている
肉汁をいかに逃がさないかが重要
肉の熟成とは、細胞内に残された酵素の働きで
タンパク質をアミノ酸に分解させうま味成分を増やすことが目的
肉の加熱
結合組織(主にコラーゲン)によって束ねられたもの
部位によってその割合が異なる
例えば、牛の背中や腹の部分は結合組織が少なく柔らかい(焼くのは55~80℃が正解)
一方、牛の脚など筋張った肉には結合繊維が多い
結合繊維は水を加えて70℃以上で加熱を続ければ、ゼラチン化して溶ける
コラーゲンをゼラチン化するのには時間がかかるため焼くのは得策でない
(肉汁が出てパサパサに)
じっくり煮込むのが良い
なぜステーキは最初に高温で表面を焼くのか
焼き色を付ける、また香りを出すため
この時メイラード反応が進行する
(百数十度以上でアミノ酸と糖が反応し、香ばしい揮発成分が生成)
(ピロール、ピリジン、オキサゾール、ピラジン、チオフェン、チアゾールなど)
↑化学者としてはツボw。これらが香ばしい揮発成分だったとは驚き
魚の加熱は控えめに
肉に比べて結合組織が少ないため
--------------------------------------------------------
なかなか面白いですね。
化学者としては、「反応」とみると興味が湧きます。
メイラード反応をググってみると、アミノカルボニル反応の一種
(全容は未だ十分には解明されていない)ということで、割と複雑でした。
ざっくりいうと、アミノ化合物と還元糖が縮合しシッフ塩基(イミン)が生成
→アマドリ転移→脱水→重合といった感じでしょうか。
メイラード反応は別の言い方をすれば「糖化」というみたいで
アンチエイジングの分野で近年?研究が進んでいるようです。
この糖化(メイラード反応)によって生じるAGEs
(advanced glycation end-products, 終末糖化産物)が体を老化させるみたいです。
糖化は体内でも進み、シミやしわ、骨粗鬆症、動脈硬化、白内障、認知症の原因にもなります。
また、焼き色がついた食品にも含まれており、体内で完全に分解できず少しずつ溜まっていきます。(こんがりと焼き色がついたステーキとかおいしいのに泣)
よって、いかに
①体内で糖化を進行させないか
②AGEsを体内に取り込まないか
ということが重要。
なるほど。書いてみると整理されますね。
糖化やAGEsについて結構興味が出てきたので、ネット、本、
ゆくゆくは論文などを読んで今後もまとめていきたいなと思います。